
取締役会を開催する
目次
『取締役会』とは、取締役の執行の監督、代表取締役の選定、業務執行の意志決定などをおこなう機関です。
取締役会の目的は、取締役個々の判断ではなく、取締役会という合議体での議論を経て、決議による意思決定をもって経営判断を行う点にあります。
わかりやすく、より本質的に言い換えると、たった一人の知識や経験に基づく判断よりも複数人の知見ないし個性が掛け合わさることで、視点が多角化し、集団的に事業を行うことで社会に対し、より大きな価値を提供する点にあるといえます。
今回の記事では、取締役会を開催する際の大まかな流れや、必要な対応についてわかりやすく解説します!
取締役会の招集を決定する
取締役会を開催するにあたり、まずは議案を決定し、開催日時や場所を決めます。
1. 議案を決定する
- 各取締役(定款又は取締役会で招集権者を定めた場合はその取締役)が議案を決定し取締役会の開催を決定します。
- 定款又は取締役会で招集権者を定めた場合、その他の取締役は招集権者に対し、議案を示して取締役会の招集を請求することができます。請求から5日以内に、請求があった日から2週間以内の日に開催する取締役会が招集されない場合、その他の取締役が自ら取締役会を招集することができます。
- 監査役は、取締役が不正や法令・定款違反の事実や可能性がある場合、遅滞なく取締役会に報告するため、招集権者に対し取締役会の招集を請求することができます。請求から5日以内に、請求があった日から2週間以内の日に開催する取締役会が招集されない場合、監査役が自ら取締役会を招集することができます。
2. 開催日時・場所を決定する
定款等の定めにもよりますが、概ね取締役会の1週間前には各取締役及び監査役への招集通知を行う必要がありますので、開催日および場所については余裕を持って決定しましょう。
3. 招集する取締役・監査役を確認する
召集対象となる取締役・監査役を確認しましょう。
取締役については、議案について利害関係のある取締役は議決に参加することができません。
また、監査役は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある場合は取締役会への出席義務がありません。
議決権の行使方法について決定する
取締役としての意思を取締役会で示すことができる権利を議決権と言います。
議決権は通常、取締役会へ出席し意思表示を行うことで行使されます。
しかしながら、取締役会の開催日に取締役全員の都合がつかないなどの事情も考慮し、電話会議等で議決権が行使する事もできます。
なお、株主総会とは異なり、取締役会での議決権は代理人に委任する事による議決権行使はできません。
取締役会決議の省略制度を採用する
定款に定める事により、ある取締役が取締役会の議案を提案し、その提案について取締役全員が書面または電磁的記録により同意したときは、その議案について取締役会決議があったものとみなす旨を定めることができます。
取締役会の議案に利害関係のある取締役による議案の提案は認められず、また、監査役が異議を述べた時は取締役会決議の省略はできません。
電話会議等を採用する
取締役会の開催は、電話会議やテレビ電話、チャット等により即時に双方向での議論ができる方法による開催も可能です。
このような電話会議等による開催については、特段定款等に定めなくても行うことができます。
取締役・監査役に招集通知を送付する
期限:概ね取締役会開催の1週間前
取締役会は、特段の定めがない場合は各取締役が招集します。
取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集します。
また、書面で招集通知書を出す場合、電磁的方法(メールなど)で招集通知を出す場合、招集手続きを省略する場合など、招集通知の手段も様々です。
招集通知を行う
取締役会の招集は、開催日の1週間前まで(定款により招集期間を短縮した場合はその期間まで)に、各取締役及び監査役に通知します。
取締役会の招集通知は書面による必要はなく、メールや口頭による通知でも可能です。
召集通知のテンプレートをダウンロードできます。
招集手続きを省略する
【取締役及び監査役全員の同意がある場合】
取締役及び監査役全員の同意がある場合、招集手続きを省略して取締役会を開催することができます。
取締役会を開催し決議を行う
取締役会では、議案について各取締役が十分に議論を重ねて審議する必要があります。
取締役会での意思決定がどのように行われたかを明確にするため、各取締役及び監査役の発言の要旨について後日取締役会議事録に記載する必要があります。
議事を進行し議案の採決を行う
取締役会の議案に関して十分な審議を行い、投票、起立、挙手などの方法で出席取締役による採決を行います。
取締役会終了後の事務作業を行う
期限:決議から2週間以内
取締役会が終わったらすぐに議事録を作成しましょう。
また、決議内容によって登記申請など、必要な手続きを行います。
議事録を作成する
取締役会が終わったらすみやかに議事録を作成しましょう。
取締役会議事録は、取締役会の日から10年間、書面もしくは電磁的記録により本店に備えおく必要があります。
特に変更登記等が必要となる決議の場合は、2週間以内に法務局へ提出する必要があります。
また、議事録には出席取締役・監査役の押印が必要です。
取締役会議事録のテンプレートをダウンロードできます。
登記申請を行う
同一法務局の管轄内での本店移転など、会社の登記事項が変更となる取締役会決議を行った際は、決議から2週間以内に法務局にて登記申請を行う必要があります。
詳細については、登記申請を必要とする各ToDoリストを参照してください。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもお役立ていただけましたら大変幸いです。
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