従業員が病気・怪我をした(通勤途中)
目次
1 通勤災害とは?
通勤災害とは、従業員が自宅から職場へ通勤する際に、交通事故や転倒、急病や急症、暴行や傷害がおこったことを指します。
厚生労働省の定義では、通勤災害を「通勤によって労働者が被った傷病等」としています。
実際の仕事に関連しているわけではありませんが、従業員は通勤中も会社の保護の下にあるため、通勤災害は企業や労働者にとって重要な問題です。
通勤災害の対象になるかはこちらをご参照ください。
従業員から引越しの連絡を受けたら、速やかに給与計算ソフトの情報(従業員情報、労働者名簿)を更新します。
2 災害発生時の対応
(1)最寄りの労災指定病院を選定する
災害発生時は速やかにに状況の把握を行うとともに、医療機関の診療を受けさせましょう。
その時は「労災指定医療機関等」で診察を受けることになるため、あらかじめ労災指定医療機関等を調べておきましょう。
こちらから検索できます。
☆通勤災害の場合は健康保険証は使わず、医療費は一旦全額自己負担で支払いましょう。通勤災害と認められれば医療費は全額戻ります。
(2)災害時の状況を確認する
発生した業務災害についてできるだけ詳しく確認しましょう。
労災認定を受けるための申請書類の作成時に災害時の情報を記載する欄があるため、『時間・場所・被害者・加害者・状況』を把握しておきましょう。
期限:災害後速やかに
3 各種給付金の手続き
通勤途上の負傷や疾病について、治療にかかる費用は全額、「療養(保証)給付」として労災保険からまかなわれることになります。
その受給手続きとして休業した日の翌日以降速やかに「療養給付たる療養の給付請求書(様式第16号の3)」を作成しましょう。この書類は療養を受けている指定医療機関を経由して所轄の労働基準監督署に提出します。
提出書類 :療養給付たる療養の給付請求書(様式第16号の3)
様式 :様式第16号の3 労働者災害補償保険
提出先:指定医療機関(最寄りの病院)
期限:災害による休業の翌日以降速やかに
(1)第三者の行為によって発生した災害の場合
交通事故や、他人からの暴行などの他人の行為が原因となって負傷または死亡した場合、第三者行為災害として「第三者行為災害届(業務災害・通勤災害)」の提出が必要です。証拠書類、念書、戸籍謄本を添付のうえ、「療養給付たる療養の給付請求書(様式第16号の3)」と併せて所轄の労働基準監督署に提出しましょう。
提出書類 :第三者行為災害届(業務災害・通勤災害)
療養給付たる療養の給付請求書(様式第16号の3)
様式 :第三者行為災害届(業務災害・通勤災害) (交通事故・交通事故以外)
添付書類 :戸籍謄本
念書(兼同意書)
事故証明書(交通事故の場合、自動車安全運転センターへ申請してください。
死亡診断書(死亡した場合)
示談書の謄本(示談が行われた場合)
提出先 :労働基準監督署
期限 :災害発生後速やかに
☆詳細はこちらをご確認ください。
(2)欠勤4日以上になった場合
☆休業補償給付
・通勤途上に病気や怪我を被り、働けなくなったこと
・労務不能で会社を休んでいること
・休業中、給与が平均賃金(※)の60%未満しか支給されないこと(まったく支給されない場合も含む)
上記の要件にすべてあてはまる場合、「休業補償給付」が休業4日目から支給されます。
休業した日の翌日から2年以内に「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」を作成し、賃金台帳、出勤簿の写しを添付の上、所轄の労働基準監督署へ提出します。
※平均賃金の求め方
通勤途上の病気や怪我をした日(災害発生日)以前3ヵ月間の給与総額÷その期間の総日数
提出書類 :休業補償給付支給請求書(様式第8号)
様式 :休業補償給付支給請求書
添付書類 :賃金台帳、出勤簿の写し指定医療機関(最寄りの病院)
提出先 :労働基準監督署
期限 :休業した日の翌日から2年以内
(3)療養が長期(1年6か月超)に渡る場合
☆傷病補償給付
・病気や怪我が治っておらず、治療中であること
・障害の程度が労災保険法の傷病等級に該当し、その状態が継続すること
通勤災害による病気や怪我によって療養を開始し、1年6ヵ月を経過した日もしくはそれ以降においても療養が継続されており、上記の要件すべてに該当する場合には、療養開始後1年6ヵ月経過から1ヵ月以内に「傷病の状態等に関する届(様式第16号の2)」を提出しましょう。届出提出後、所轄の労働基準監督署長が「傷病補償年金」の支給を決定します。
提出書類 :傷病の状態等に関する届(様式第16号の2)
様式 :傷病の状態等に関する届
添付書類 :賃金台帳、出勤簿の写し指定医療機関(最寄りの病院)
提出先 :労働基準監督署
期限 :療養開始後1年6か月経過から1か月以内
概要、請求手続きについてはこちらをご参照ください。
(4)介護が必要になった場合
☆介護補償給付
・障害補償年金または傷病補償年金を受ける権利があること
・労災保険法が定める障害等級1級、または2級のうち精神神経
・胸腹部臓器の障害に該当すること
・現に介護を受けていること
通勤災害により、上記の要件にあてはまる被災労働者が介護を受けている場合、「介護補償給付」が支給されます。介護を受けた月の翌月の1日から2年以内に 「介護補償給付支給請求書」に診断書、介護に要した費用を証明するものを添付して、所轄労働基準監督署に提出しましょう。
提出書類 :介護補償給付支給請求書
様式 :介護補償給付支給請求書
添付書類 :介護に要した費用を証明する書類
提出先 :労働基準監督署
期限 :介護を受けた月の翌月の1日から2年以内
概要、支給額、請求手続きについてはこちらをご参照ください。
(5)障害が残った場合
☆障害補償給付
通勤途上の病気もしくは怪我が、療養を続けてもこれ以上良くならないと診断され(労災保険法上これを「治癒」と定義)、身体に障害が残った状態で症状固定した場合に「障害補償給付」が支給されます。
治癒した日の翌日から5年以内に「障害補償給付支給請求書・障害特別支給金・障害特別年金・障害特別一時金支給申請書(様式第10号)」を提出しましょう。
提出書類 :障害補償給付支給請求書・障害特別支給金・障害特別年金・障害特別一時金支給申請書(様式第10号)
様式 :様式第10号
添付書類 :介護に要した費用を証明する書類
提出先 :労働基準監督署
期限 :治癒した日の翌日から5年以内
概要、支給額、手続きについてはこちらをご参照ください。
(6)被災労働者が亡くなった場合
☆遺族補償給付
通勤途上の事故で労働者が死亡した場合、被災労働者の配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹に「遺族補償給付」が支給されます。
「遺族補償年金支給請求書(様式第12号)」に死亡診断書、除籍謄本、住民票謄本等の必要書類を添付し、所轄労働基準監督署に提出します。
被災労働者の死亡日の翌日から5年以内が期限です。
提出書類 :遺族補償年金支給請求書
様式 :遺族補償年金支給請求書(様式第12号)
添付書類 :死亡診断書
除籍謄本
住民票謄本期限
提出先 :労働基準監督署
期限 :死亡日の翌日から5年以内介護を受けた月の翌月の1日から2年以内
概要、請求手続きについてはこちらをご参照ください。
☆葬祭給付
通勤途上の災害によって死亡した労働者の葬儀を行う者に、【315,000円+平均賃金の30日分】が支給され、 この額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は【給付基礎日額60日分】が支給される制度です。通常、「遺族補償給付」の請求と併せて行います。こちらの提出期限は死亡日の翌日から2年以内となっています。
提出書類 :葬祭料請求書(様式第16号)
様式 :葬祭請求書
提出先 :労働基準監督署
期限 :死亡日の翌日から2年以内
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでもお役立ていただけましたら幸いです。
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