はじめて従業員を雇用する
目次
1 雇用契約書・労働条件通知書を作成する
雇用契約書・労働条件通知書とは、いずれも雇用主と従業員間の労働条件を取りまとめたもので、認識相違によるトラブルを避ける為にも取り交わすのが無難です。
雇用契約書は作成しなくても罰則はありませんが、労働条件通知書は、労働基準法により交付が義務化されてるので、事業主は、雇用形態を問わず従業員を雇い入れる際には、すべての従業員に対して労働時間や給与等の労働条件を明示した労働条件通知書を作成しなければいけません。
書式:労働条件通知書
2 法定三帳簿(労働者名簿/賃金台帳/出勤簿)、年次有給休暇管理簿を作成する
従業員を一人でも雇う場合には、雇用形態を問わずすべての事業主に対して、「労働者名簿・賃金台帳・出勤簿(法定三帳簿)、年次有給休暇管理簿の作成が労働基準法により義務付けられています。
これらの帳簿は社会保険や雇用保険の手続きの際に提示が求められ、労働者の退社後も保存義務があります(原則5年間、当面の間3年間)。
なお、いずれもクラウド会計(freee/MFクラウド)の給与計算をご利用であれば自動的に作成可能です。
・ 労働者名簿
・ 賃金台帳
・ 出勤簿
・ 年次有給休暇管理簿
3 社会保険、労働保険の手続きの為、登記簿謄本を取得する
労働基準監督署やハローワーク、年金事務所等の手続きの際、添付書類として登記簿謄本が必要となるため、法務局窓口かオンラインで請求し取得しておきましょう。
・ 参考:法務局ホームページ
・ 書式:登記事項証明書・登記簿謄抄本・概要記録事項証明書交付申請書(記載例)
4 健康保険・厚生年金保険の加入手続きをする
常時従業員(事業主のみの場合も含む)を使用する法人と、常時5人以上の従業員を使用する事業所(飲食店や理美容業、農林漁業などを除く)は、強制適用事業所であり、社会保険に加入する義務があります。また、強制適用事業所に該当しない事業所(任意適用事業所)も従業員の半数以上が適用事業所になることに同意し、年金事務所で申請を行って許可を受けると適用事業所となることができ、社会保険に加入することができます。
期限 :事実発生から5日以内
提出 :日本年金機構(事務センターまたは年金事務所)
(1)健康保険・厚生年金保険 新規適用届(または任意適用申請書)
会社設立時や、任意適用事業所で設立時に社会保険に加入していない場合には、事業所の社会保険の新規加入手続きを行います。
・ 強制適用事業所の場合
書式:健康保険・厚生年金保険 新規適用届
・ 任意適用事業所の場合
書式:健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書
書式:任意適用申請同意書
(2)健康保険・厚生年金被保険者資格取得届
従業員を採用したとき等、新たに健康保険および厚生年金保険に加入する従業員について
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届を作成・提出します。
(3)健康保険被扶養者(異動)届
従業員の家族を被扶養者とする場合は、健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)を作成します。
・ 書式:健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)
5 適用事業報告書、時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)を提出する
雇用形態に関係なく従業員を一人でも雇用すると、労働基準法の適用を受けるようになりますが、その事実を所轄の労働基準監督署に報告するために「適用事業報告書」の提出が必要となります。
また、労働基準法では「休憩時間を除いて1日に8時間以上、1週間に40時間以上労働させてはいけない」と定められている為、これを超えて労働させるにはあらかじめ「時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)」を所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
期限 :事業開始後または初めて従業員を雇用した後遅滞なく
届出 :所轄の労働基準監督署
提出書類 :適用事業報告書、時間外労働・休日労働に関する協定届
6 労働保険の加入手続きをする
正社員に限らず、パート・アルバイト等一人でも従業員を雇った場合、労働保険に加入する義務があります。特に、労災保険については短期のアルバイトを雇った場合や1週間の労働時間に関わらず必ず加入しなければなりません。雇用保険については適用事業に雇用された従業員は原則として被保険者となりますが、1週間の所定労働時間が20時間未満の場合や雇用期間が31日未満の従業員等雇用形態によっては適用除外となり被保険者とならない場合もあります。
手続きを怠った場合には過去に遡っての徴収や追徴金等の罰則もあり得るので注意しましょう。
(1)労働基準監督署で保険関係成立届と概算保険料申告書を提出する
保険関係成立届、概算保険料申告書は複写式の特殊用紙となるため労働基準監督署やハローワークの窓口でもらうか郵送で送ってもらう必要があります。
労働保険概算保険料申告書では保険関係成立から3月31日までの労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料を申告します。この段階では正確な保険料がわからない為、ひとまず概算額を申告・納付することになります。
期限 :保険関係が成立した日の次の日から10日以内(概算保険料申告書は50日)
届出 :所轄の労働基準監督署
提出書類 :労働保険保険関係成立届、労働保険概算保険料申告書
添付書類 :登記簿謄本等
(2)ハローワークで雇用保険の加入手続きをする
雇用保険の加入には、事業所そのものが雇用保険に加入するために「雇用保険適用事業所設置届」の提出と、従業員個人を雇用保険に加入させるための「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要になります。
被保険者資格取得届の提出期限は従業員の入社月の翌月10日までですが、適用事業所設置届を届け出るときには必ず一人以上の従業員が雇用保険に加入することが前提となる為、この二つの書類は同時に提出するのがいいでしょう。
書式 :雇用保険適用事業所設置届 (記載例)
書式 :雇用保険被保険者資格取得届(記載例)
参考 :労働保険の成立手続
期限 :雇用保険の加入対象者を初めて雇い入れた日から10日以内
提出先 :所轄のハローワーク
提出書類 :雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届
添付書類 :保険関係成立届(受理印のある事業主控)、事業所の実在、事業の種類、事業開始年月日、事業経営の状況、他の社会保険の加入状況を証明することができる書類(例:登記簿謄本)、労働者の雇用実態、賃金の支払い状況等を証明できる書類(例:労働者名簿)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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