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社会保険の算定基礎届の手続き

社会保険の算定基礎届の手続き

会計事務所ハウツー

ユアメディア編集部 ユアメディア編集部

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社会保険の算定基礎届とは、正式には「被保険者報酬月額算定基礎届」といい、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の年1回の見直しを行うというものです。
従業員と会社の社会保険料の計算に欠かせない手続きです。

今回は、社会保険の算定基礎届について、解説していきます。

必要書類を受け取り、内容を確認する

毎年5月下旬~6月中旬に所轄の年金事務所より届出用紙が送付されてきます。
書類が届いたらすみやかに開封し、内容を確認しましょう。

算定基礎届の提出に必要な書類を受け取る

毎年5月下旬~6月中旬の間に、所轄の年金事務所より算定基礎届の届出用紙が事業主宛てに送付されます。万が一、書類が届かなければ、全国の相談・手続き窓口|日本年金機構から所轄の年金事務所を検索の上、確認をしましょう。

届出用紙の内容を確認する

書類が届いたらすみやかに開封し、内容を確認しましょう。

この届出用紙には、5月中旬頃までに届出された被保険者の氏名、生年月日、従前の標準報酬月額(※)等が印字されています。

※標準報酬月額
社会保険では、納める保険料の額を決定したり保険給付の額を決定したりする際、計算の基になる数字として給料そのものの金額ではなく、給与額を大まかにグループ分けをした「標準報酬月額」を用います。具体的な数字は令和4年度保険料額表(令和4年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会からご参照いただけます。

定時決定(算定基礎届)の対象者を確認し、標準報酬月額の計算をする

社会保険料算出のための標準報酬月額を計算します。
ただし、算定基礎届の対象者から除かれる従業員もいるため、対象者を把握した上で計算を行いましょう。

支払い給与額を確認する

7月1日現在の全ての被保険者について、4月・5月・6月に支払われた報酬額と支払基礎日数を、賃金台帳や出勤簿などをもとに確認し、まとめておきます。
ただし、以下に該当する人は対象外のため、算定基礎届に記載する必要はありません。

  1. 6月1日以降に入社した人⇒被保険者資格取得届(※)ですでに標準報酬月額決定済み
  2. 6月末日までに退職した人⇒被保険者でなくなるため、向こう1年間の保険料の算定は不要
  3. 7月に随時改定(月額変更届)を行う人⇒次項参照

1)6月1日以降に入社した人⇒被保険者資格取得届(※)ですでに標準報酬月額決定済み
2)6月末日までに退職した人⇒被保険者でなくなるため、向こう1年間の保険料の算定は不要
3)7月に随時改定(月額変更届)を行う人⇒次項参照

※被保険者資格取得届新しく従業員を採用した際、社会保険手続きに伴い提出する届出を指します。詳細は就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構をご覧ください。

随時改定の対象者を確認し月額変更届を作成する

7月に随時改定を行うことが確定している被保険者については、定時決定の対象から除くこととされています。
7月に随時改定を行う必要がある人とは、概ね4月に昇給があった人を指します。(ただし、随時改定にも条件がありますので、4月昇給者全員であるとは言えません)

随時改定の対象者については、月額変更届を作成・提出する必要があります。

7月に随時改定を行う者を確認する

4月に昇給があった方については現在の標準報酬月額と4〜6月に支払われた報酬総額の平均額から算定した標準報酬月額を比較し随時改定(※)が必要かどうかを確認しましょう。

7月に随時改定を行う人については定時決定を行わず、
①月額変更届を提出
②届出書内の該当者の備考欄に「7月月変」と記入
上記の対応を行います。

※随時改定
被保険者の報酬が、昇給や降給等により大幅に変動したときは、定時決定を待たずに標準報酬月額を改定します。これを「随時改定」といいます。

制度詳細、手続きについては、随時改定(月額変更届)|日本年金機構をご参照ください。

被保険者報酬月額変更届を作成する

随時改定対象者について、「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届」を作成します。
主な届書様式の一覧|日本年金機構よりテンプレートをダウンロードできます。

年金事務所に必要な書類を作成して提出する

期限:7月10日まで(令和4年度につきましては、7月11日となっています)

算定基礎届に必要な書類を作成して、所轄の年金事務所に提出します。
随時改定のための月額変更届がある場合は併せて提出しましょう。

健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届を作成する

算定基礎届の対象者について、すでにまとめたデータをもとに、「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届」を作成していきます。

大まかな流れとしては

  1. 4月・5月・6月に支払われた報酬額と支払基礎日数などを記入し、標準報酬月額の総額(社会保険料控除前の総額)と平均額を計算する
  2. 上で算出した平均額を標準報酬月額表にあてはめて、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額を決定し、記入します。

具体的な記入例については、定時決定のため、4月~6月の報酬月額の届出を行うとき|日本年金機構の「算定基礎届の記入・提出ガイドブック」をご参照ください。

健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表を作成する

算定基礎届の届出用紙と共に送られてきた「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表」(※)を作成します。
算定基礎届総括表には、事業所整理番号、事業所番号、5月中旬現在の被保険者数などがあらかじめ印字されています。
事業所や給与支払の情報について、該当する欄に記入の上、算定基礎届と一緒に提出します。詳細は、定時決定(算定基礎届)|日本年金機構をご参照ください。

※算定基礎届総括表
保険者が各事業所の被保険者の現況や報酬の支払状況などを知るため、事業主に対して算定基礎届と一緒に提出させるものです。

健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表附表(雇用に関する調査票)を作成する

算定基礎届の届出用紙と共に送られてきた「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表附表(雇用に関する調査票)」を作成します。
自社従業員の状況等に関して必要事項を記載します。

年金事務所に提出する

作成した書類を郵送、または窓口持参にて提出します。

<提出書類>
・健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届
・健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表
・健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表附表(雇用に関する調査票)
・健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届(随時改定対象者がいる場合)

<添付書類>
原則として不要

まとめ

ここでは、社会保険の算定基礎届の手続きの大枠について解説いたしましたが、いかがだったでしょうか?
毎年発生する業務ではあるものの、労務手続きは負担があるかと思いますが人事労務freeeやMF社会保険といった給与計算ソフトを使っていただくと、比較的スムーズに作業を行うことも可能かと思います。
本記事がみなさまのお役に立てましたら幸いです!

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