役員にはじめて役員報酬を支払う
目次
1 給与計算ソフトの決定
役員報酬を支払う場合には、手取り金額を計算する必要があるので、給与計算ソフトを使用します。
給与計算ソフトは、様々なものがありますが、役員及び従業員の人数が多くなければ、お手頃のものを使用しても問題はないかと思います。利用している会計ソフトと連携できるものがよいでしょう。
2 給与計算ソフトの設定をする
給与計算ソフトを購入したら、次の項目を登録します。登録完了後、自動で手取り額が計算されます。
・ 事業所情報の登録 :加入している健康保険、会社の所在地
・ 締め日、支給日 :当月末締め翌月15日払いなど
・ 社会保険の徴収時期:翌月徴収が一般的です
・ 個人情報・家族情報:生年月日、住所、被扶養者の情報など
・ 給与情報 :役員報酬額は毎月固定なので割増賃金等の設定は不要
・ 標準報酬月額 :年金事務所から通知されます
・ 社会保険の加入日 : 〃
・ 雇用保険・労働保険:役員の場合は、非加入(又は対象外)となります
・ 所得税の区分 :他の会社から給与を受け取っていなければ、甲欄を選択
・ 住民税 :特別徴収に切り替えていなければ、入力は不要
3 給与計算を行い、支払をする
給与情報が正しく設定されていれば、ソフトが自動で手取り額を計算してくれます。
その手取り額を、支給日に、会社から個人の口座へ振り込みます。
4 社会保険料、税金の納付
役員報酬から控除された社会保険料、源泉所得税(及び住民税)を、会社の方で別途納付します。
(1)社会保険料
日本年金機構(年金事務所)から「保険料納入告知書」または「保険料納入告知額・領収済額通知書」が届くので、それらの記載に従い、従業員から預かった社会保険料と事業者負担分の社会保険料を合わせて納付します。
納付方法は金融機関の窓口で支払う他、口座振替や電子納付を利用することができます。
納付期限:給与支払月の翌月末
(2)源泉所得税
源泉所得税の納付書は、税務署から送られてこないので、自分自身で納付書を作成し、納付する必要があります。
納付書は、一般用と納期特例用の2種類があり、書類は管轄の税務署窓口で取得する他、郵送やe-Taxソフトを利用して納付書データを作成することができます。
① 納期の特例の適用を受けている場合
1〜6月分の源泉所得税 :7月10日までに納付
7〜12月分の源泉所得税:翌年の1月20日までに納付
② 納期の特例の適用を受けていない場合
給与や報酬などを支払った月の翌月10日までに納付
(3)住民税
住民税の納付については、特別徴収に切替をしていなければ、住民税の納付書は本人の住所へ送られてくるので、その納付書で本人が納付します(普通徴収といいます)。
一方で、住民税の納付については、役員報酬から天引きして、会社が納付する方法を選択することもできます(特別徴収といいます)。
特別徴収を選択している場合には、住民税の通知書(特別徴収税額通知書)と納付書が6月ごろに、その住所の市区町村から会社へ送られてくるので、通知書に記載の金額を給与から控除し、毎月10日までに納付します。
納付期限:給与支払月の翌月10日まで
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでもお役立ていただけましたら幸いです。
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