【2026年最新】税務調査の最近の傾向と事前準備
目次
税務調査時の「日頃の準備」の重要性
近年、税務調査の実施件数はコロナ禍前の水準に戻りつつあります。さらに、電子帳簿保存法やインボイス制度の定着に伴い、帳簿や請求書等の保存・管理状況がより厳しく確認されるようになっています。
税務調査は、単に「誤りを指摘して追徴課税する」ためだけのものではなく、適切な申告が行われているかを確認する手続きです。日頃から適切な経理処理を行い、必要な証拠書類を整理しておけば、突然の調査通知にも落ち着いて円滑に対応することができます。
日々の正しい準備こそが最大の対策です。過度に恐れることなく、日頃の管理体制を見直しておきましょう。
最近の調査で確認されやすいポイント
税務調査では、次のような項目が重点的に確認される傾向があります。
売上の計上漏れ
請求書や入金記録、預金口座の入出金などをもとに、売上が適切な時期に計上されているか確認されます。決算月前後の売上計上時期は特に注意が必要です。
経費の妥当性
交際費、会議費、福利厚生費、外注費などについて、事業との関連性や証憑書類の保存状況が確認されます。領収書だけでなく、参加者や目的が分かる記録を残しておくことが大切です。
役員や関係会社との取引
役員への貸付金や仮払金、関係会社との取引については、契約内容や取引条件が適切か確認されることがあります。
消費税の処理
インボイス制度開始後は、適格請求書の保存状況や仕入税額控除の要件を満たしているかについて確認されるケースが増えています。また、課税・非課税・不課税の区分や簡易課税制度の適用要件についても確認されます。
今からできる事前準備
税務調査は、調査が決まってから準備を始めるよりも、日頃から次の点を意識しておくことが重要です。
・請求書、領収書、契約書などを整理して保管する。
・領収書には支払先だけでなく、利用目的や参加者などを記録しておく。
・現金出納帳や預金帳との残高を定期的に確認する。
・経費計上の判断に迷う取引は、その都度顧問税理士へ相談する。
・電子データで保存している書類は、電子帳簿保存法の要件に沿って管理する。
調査の流れ
税務調査の流れは以下の手順で執り行われます。
①調査通知‧⽇程調整
調査実施についての連絡が入ります。日程の調整は可能ですが、原則として調査自体は中止になりません。当事務所が立ち会う場合は、スケジュールも含めて事前に調整を行います。
②国税側の事前調査
国税側では、過去の申告書や決算書、提出された支払調書などのデータをあらかじめ分析し、確認すべきポイントや事業の実態について事前確認を行います。
③正式な事前通知
調査時期‧担当者‧対象税目‧対象期間‧準備資料が正式に通知されます。調査へ円滑に対応するため、担当者の所属・氏名も含めて事前に確認を行います。
④実地調査
当日は代表者へのヒアリング(会社概要・業務内容等)から始まります。意図と異なる解釈をされないよう、質問された内容に対して正確かつ必要十分な回答を心がけましょう。
その後、帳簿や証憑の確認が行われます。不明点はその場で即答せず、後ほど確認してから回答しても問題ありません。
⑤指摘事項の説明・交渉
見解の相違や法令の解釈が分かれる点については、適切な根拠(契約書や取引の事実関係)を示して論理的に説明・協議を行います。適切な着地点を見出すことが大切です。
⑥修正申告・調査終了
調査履歴は将来の管理にも影響するため、納得がいかない指摘や疑問点がある場合は、安易に受け入れず税理士と十分に協議した上で対応を進めましょう。
税務調査では、特別な節税策よりも、日々の正確な記帳や証憑書類の整理が最も重要です。
近年の税務調査は、AIやデータ分析を活用して異常値を検出し、「ターゲットを絞った効率的・深度のある調査」へ移行しています。そのため、1件あたりの追徴税額が増加傾向にあります。
当法人では、税務調査への立会いはもちろん、事前の自主点検や帳簿の確認についてもサポートしております。ご不明な点やご不安なことがございましたら、お気軽に担当者までご相談ください。
《参考法令・参考資料》
・消費税法
※調査の着眼点は個々の事案によって異なります。本記事は一般的な傾向をご紹介するものであり、すべての税務調査に当てはまるものではありません。
