スタッフインタビュー「ゼロから、組織の未来を創造する」挑戦の物語― コーポレート部門マネージャー 新原
目次

70名を超える組織の成長を根幹から支え、未来への羅針盤を示すコーポレート部門。その責任者を務める新原里奈の物語は、まだ社員がわずか15名だった混沌と熱狂の中から始まった。会計事務所の会計税務スタッフ職から、今度は、会計事務所の事務スタッフへ。それは、安定を手放し、未知の荒野へたった一人で踏み出すような、大きな挑戦だった。
第一章:キャリアの岐路。コロナ禍で見つけた「未来を創る仕事」
インタビュアー
新原さんが当社にジョインされたのは2021年2月。世界中がコロナ禍という大きな変化の渦中にありました。まずは、その頃のお話から聞かせてください。
新原
はい、鮮明に覚えています。世界が一変し、働き方が根底から覆されたあの時期、私は前職の会計事務所で、会計・税務スタッフとして7年弱キャリアを積んでいました。月次監査といって毎月お客様先へ出向き、経営者の方と一緒に数字と向き合う日々。それは専門性を高める貴重な時間でしたが、同時に私の心にある問いを投げかけてきたんです。
「このまま自分は専門職として働き続けるのか、それとももっと幅広い挑戦をしてみたいのか」
そんな自問自答を繰り返す中で、ふと湧き上がってきた想いがありました。それは、「会社の“未来”を、当事者として創っていく仕事がしたい」という、抗いがたい情熱でした。会計・税務スタッフの仕事はとてもやりがいがあり、大好きな仕事でしたが、今までの経験を違う形で生かす道もあるのではないか。その思いが強くなっていた時、運命的に出会ったのが、当時まだ社員15名の当社だったんです。
インタビュアー
社員15名というと、まさに創業期。完成された組織とは程遠い環境だったかと思いますが、そこに惹かれたのですね。
新原
そうなんです。むしろ、そこが最大の魅力でした。面接で感じたのは、一人ひとりのエネルギーが組織の成長にダイレクトに反映される、強烈な“熱”。「完成された大きな船の乗組員になるのではなく、自分たちの手で小さなイカダを大きな船へと育てていく。そんな航海がしたい!」と心が躍りました。
今までの経験を違う形で生かしたいと考えていたため、会計や税務の専門ポジションではなく、「秘書兼事務スタッフ」という未経験の職種へ応募しました。それは私にとって、これまでのキャリアを一度リセットするような大きなキャリアチェンジでした。でも、不安よりも「この仲間たちと一緒に、会社の歴史の最初の1ページを書きたい」というワクワクが、私の背中を強く押してくれたんです。
第二章:バックオフィスの混沌。すべての仕事が、組織の血肉となった日々

インタビュアー
実際に入社されて、最初の衝撃はいかがでしたか?
新原
正直な感想は、「これは、すごいところに来てしまったぞ!」でした(笑)。当時は税務スタッフ14名に対し、事務スタッフ2名という状況でしたので、入社2日目から早速いろんなお仕事を経験することができました。
秘書業務はもちろん、備品の発注、経費精算、電話対応、来客応対、代表税理士のスケジュール調整、社内イベントの企画・運営、そしてちょっとした総務作業やお客様対応、申告書作成まで…文字通り、事業を創ること以外のすべてが私の仕事でした。毎日分刻みであらゆるタスクをこなし、気づけば夕方。皆が帰路についた静かなオフィスで、一人黙々と残務処理に追われる。そんな毎日が、嵐のように過ぎていきました。
でも、不思議と辛いとは感じませんでした。むしろ、最高に楽しかったんです。税務スタッフとしての経験はもちろん活きましたし、やるべきことが日々変わるし、増えていく。自分が動けば動くほど、組織という生き物が着実に前に進んでいく。その感覚が、何物にも代えがたいやりがいでした。例えば、煩雑だった経費精算のフローを少し改善しただけで、スタッフから「新原さん、ありがとう!すごく楽になったよ!」と声をかけられる。そんな些細な一つひとつが、「私が、この会社の“働く環境”を創る一員なんだ」という確かな実感を与えてくれました。
第三章:成長の痛みと、私の覚醒。 “何でも屋”から“仕組みの設計者”へ

インタビュアー
その後の会社の成長は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。社員が30名、50名と増えていく中で、新原さんの役割も大きく変化していったのですね。
新原
はい。組織の成長は喜びであると同時に、新たな課題との戦いの始まりでもありました。人数が少ないうちは、“気合と根性”と、阿吽の呼吸で何とかなっていたんです。でも、社員数が30名を超えたあたりから、それまでのやり方が全く通用しなくなりました。組織の“成長痛”を、身をもって痛感した瞬間でしたね。
「入社手続きの書類、誰に渡せばいいんだっけ?」「この備品、誰の許可を得て発注するルール?」「オフィスのセキュリティ、このままで大丈夫?」…あらゆる場所で、仕組みがないことによる歪みや混乱が起き始めていました。
その時、ハッとしたんです。「目の前のタスクをこなすだけではダメだ。未来の50人、100人規模の組織を見据えて、会社の“OS”をインストールしていかないと!」と。
この頃から、私の役割は目の前のボールを拾う“プレイヤー”から、組織という“フィールド”そのものを設計する“ゲームメーカー”へと変わっていったように感じています。
採用活動のサポート、共通の価値観を育てるための社内報の発行、そして数十名規模のオフィス移転プロジェクト…。どれも専門知識があったわけではありません。でも、「今の会社に必要だから、まずは自分がやってみよう」と、手探りで走り続けました。
気づけば、秘書や事務という枠を超えて、人事、総務、広報といったコーポレート機能全般をなんでも引き受けるようになっていましたね。
第四章:70名の羅針盤として。私たちが、事業を加速させるエンジンになる

インタビュアー
そして現在、コーポレート部門の責任者としてマネジメントを担われています。今、最も大切にしていることは何ですか?
新原
一番は、「社員一人ひとりが、安心して最高のパフォーマンスを発揮できる“舞台”を創り上げること」です。コーポレート部門は、直接的に売上を生み出す部署ではありません。だからこそ、私たちの存在価値が問われると思っています。
私たちは、会社の“守り”を固める守護神であると同時に、事業の成長を加速させる“攻め”の起点でもあるべきだと感じています。
例えば、勤怠管理の仕組みを整えることは、単なる事務作業ではなく、社員の頑張りを正しく評価し、会社の信頼を守るための重要な基盤と言えると思います。
社内イベントを企画するのは、単なる息抜きのためだけじゃなく、部門を超えた繋がりを生み出し、新たなイノベーションの種を蒔くための、未来への投資だと思っています。
「コーポレートのおかげで、安心して目の前の仕事に集中できる」「この会社でなら、長く働き続けたい」。社員の皆さんからそんな声が聞こえてくる時が、私の喜びです。
一見、地味で小さな仕事の積み重ねかもしれませんが、その一つひとつが、70名を超える仲間たちの働きやすさを支え、会社の未来を創っている。その誇りが、今の私を動かす最大の原動力だったりします。
第五章:未来へ繋ぐバトン。次の世代と、さらに大きな物語を
インタビュアー
最後に、これからの挑戦や目標を教えてください。
新原
私の次の挑戦は、「仕組み化」と「次世代の育成」という、未来へのバトンを渡すことです。これまでは、私自身が前例がない中、目の前の課題を解決してきました。
でもこれからは、その道を誰もが安全に、そしてもっと速く走れるような、“高速道路”として整備していきたい。属人化から脱却して、盤石な組織体制を築き上げることが、マネージャーとしての私の使命と感じています。
そしてもう一つ。私がこの会社で経験してきた、ゼロからコーポレートを創り上げるという得難い経験と情熱を、後輩やチームメンバーに伝えていきたいです。
コーポレートの仕事は“縁の下の力持ち”と表現されがちですが、会社という大きな家を支える、決して揺らぐことのない“大黒柱”だと、私は思っています。
その誇りとやりがいを、次の世代にもしっかりと繋いでいく。そして、私一人の物語だった挑戦を、チーム全員の大きな物語へと昇華させていきたい。会社の長期的な成長を支える土台を築くために、私の挑戦はまだまだ続くと思います。
編集後記
入社時は「15名の組織で、わずか二人の管理部門担当」だった新原さん。その手から生まれた一つひとつの仕事が、会社の礎となり、今や70名を超える組織を動かす心臓部となっている。
彼女の物語は、コーポレートという仕事が、単なる事務作業やサポート業務ではなく、会社の未来そのものをデザインする、ダイナミックでクリエイティブな挑戦であることを、私たちに教えてくれる。会社の成長を自らの手で創り上げたい。そんな熱い想いを持つ人にとって、これほどまでに刺激的な舞台はないだろう。

今回は税理士法人クラウドパートナーズの新原さんにお話を伺いました。
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